Meesage
日本人の魂の古層
戦後の豊かさや利便性の追求の中で、ますます古いものが捨てられ、いわば過去を持たない人間が作り出す世界からは、世界の実質が失われ、それがさまざま歪みを社会に生み出していることは否定できないように見えます。
しかし、常識と化したかに見える日本の文化や社会の単相性・均質性は、実は近代以降の怠惰な知性が描き出した表層の事象に過ぎないのです。
なによりもまず、私たちを幾重にも取り巻く「文化」という皮膜を突き破ることで、自分たちが現に生きている実態を見極めなければなりません。
金山秋男編著
『日本人の魂の古層』より
Profile
金山秋男
Akio Kaneyama
明治大学名誉教授
死生学・基礎文化研究所代表
国際熊野学会副代表
一般社団法人「いのちの絆」理事長
NPO法人「健康福祉実践協会」理事
死生学・基礎文化研究所代表
国際熊野学会副代表
一般社団法人「いのちの絆」理事長
NPO法人「健康福祉実践協会」理事
経歴
1948年 栃木県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。患った神経症をきっかけに曹洞宗の総持寺で禅修行に入り、道元の正法眼蔵の生死の巻から死生学を研究。それを機に日本人特有の霊魂感や他界観究明の道を開き、伊勢、熊野の神話を中心とした民俗学の道が開かれる。
以後、主として死生学、神話学、宗教民俗学、仏教文学の道を歩み、その成果は国際熊野学会、神社仏閣など国内外で講座を展開している。生活者の目線から発せられる易しい語り口は定評で、特に詩歌に詠まれた日本人の生老病死の受け止め方についての語りは人気を博している。
金山秋男 公式YouTube
金山秋男の公式YouTubeがスタートしました。第一話では、人生における様々な逡巡の中で死生学に辿り着いたその遍歴を語ります。
金山秋男の学術人生における集大成となる、貴重な語りとなりますのでぜひご覧ください。
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